2009年11月14日土曜日

エイ・テン神経から快感

人間の心というものは考え方によって制御できることが解ってきた。

人間の心は脳の中の脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質からなっていると考えられる。
この心をつかさどる脳にエイ・テン(A10)神経というものがある。

エイ・テン神経は別名を快感神経と言う。
何か刺激を受けると、我々に快感を生じさせるのだ。

興味深いのはこの神経が性欲、食欲、体温調節といった、ごく原始的な生理欲求から運動、学習記憶、さらに最終的には最も高い人間精神をつかさどる脳、前頭連合野にまでつながっていることだ。

美味しいものを食べたり、セックスをすると我々は大いなる快感を感じるが、スポーツでも勉強でも、言うに言われない快感が生じてくる。
また、人のために役立つとか、世の中を良くする行為でも、我々は非常に高い精神的な喜びを感じる。

こうした人間の思考や行為から生じる快感は、全てエイ・テン神経に由来すると考えられる。

エイ・テン神経は1970年代後半に発見された。
この発見で、βーエンドルフィンなど脳内モルヒネの存在が知られることとなった。
この神経のの研究が進むに連れて、大変なことがわかってきた。
それは、我々人間の脳は、エイ・テン神経をコントロールできるということ。

エイ・テン神経は犬猫にもあり、爬虫類にもある。彼らもこの神経を通じて快感を感じている。
しかし、彼らはこのエイ・テン神経をコントロールできる上位脳を持っていないのだ。

大脳新皮質を持つ人間だけはエイ・テン神経から快感を得ると同時に、ものの考え方一つでエイ・テン神経を自由にコントロールできることが解ってきた。

そのコントロールのカギを握っているの物質が脳内モルヒネのβーエンドルフィンなのだ。

人間も脳の大脳新皮質を取ってしまえば、犬猫並みになってしまい、さらに、大脳辺縁系を取ってしまえば、爬虫類と変わらない脳になってしまう。

我々が食べることでもセックスでも、犬猫や爬虫類と違った意味付けや価値をもてるのは、大脳新皮質のおかげである。

さらにもっと高次の愛や自己実現といったことへと欲求を高めていけるのも、大脳新皮質あってのっことである。

しかし、同時にそういう行為へと人間をいざなう動因は、それが快感を伴うからで、いかに高邁な理想を抱こうと、人間は快感を得られないことは最終的にはしないのである。

ただ、ありがたいことに私たちは良いことをすると良いホルモンが出る仕組みを備えている。

恋人のためを思って、あるいは、子供のため、妻のため、組織のためと思えば、つらいことをやっても快感が得られる。
そういう時、脳波は、α波になり、βーエンドルフィンがこんこんと分泌されるのだ。
さらに言えば、記憶力の向上も、人間関係を平和に保つにも、またやる気や忍耐力、想像力を発揮するのも、βーエンドルフィンが関係する。
人間精神の全ての営みを好循環に持っていくか悪循環に持っていくかは、その人の考え方一つにかかっているのだ。

2009年11月13日金曜日

脳内モルヒネと脳波

脳内モルヒネと脳波について説明する。
脳内モルヒネが出ているときは必ず、α波が出ていることがわかっている。

β波が出るときはβーエンドルフィンは消えている。
脳に入ってくる刺激が同じでも、それを頭でどのように考えるかによって、α波になったり、β波になったりするのだ。

β波は我々が生きていくうえで不可欠なもの。
しかし、こればかり出していたのでは、人間は長生きできない。
また、人生を楽しむことができない。

α波を出すのはある意味では簡単で、どんなことでも肯定的に受け入れる姿勢で、何事にも感謝し、プラス発想すればいいのだ。

α波状態と脳内モルヒネの分泌はニワトリと卵の関係で、どちらが先かは解らない。
ただし、一体の関係にあるのは間違いはない。

このα波に一番効き目のあるのが瞑想である。
うまく瞑想できる訓練をつめば、α波は思いのままに出せるようになる。

α波が出せるということは、脳内にβーエンドルフィンなどの快感物質を分泌すること。

普通、我々が何かをしようとすると、無意識に緊張が伴って、実力が発揮できないという、いわゆる「努力逆転の法則」が働くのだが、この原因となるのが、アドレナリン系の神経伝達物質なのだ。

このような時、プラス発想をして、意識的に脳内モルヒネを分泌させると、脳波はα波にコントロールされ、大脳の前頭連合野の機能が活性化する。
そのような状態では、、意識と潜在意識が統合され、脳の深いレベルで、成功へ向けての肯定的な発想をプログラムする。
したがって、このような状態では潜在意識を意識的にコントロールすることができ、様々な能力が活性化していくのだ。

潜在意識が意識化されることにより、精神感覚も鋭くなり、、感やひらめきの力が強くなる。
そのため創造力も高まっていくのだ。

2009年11月12日木曜日

毎日の食事で良質のタンパク質をきちんと摂取すること

筋肉に続いてもう一つ脳細胞の活性に重要なのが食生活。
脳内モルヒネのためには高タンパクの食事が必要となる。

脳内モルヒネの構成材料はタンパク質だからである。

タンパク質は20種類のアミノ酸からできている。
食事から摂取されたタンパク質は体に入ると、いったんアミノ酸に分解され、それから体の構成材料や酵素として再合成される。

20種類のうち、8種類の必須アミノ酸は外から取り入れないと体の中では作れない。

脳内モルヒネを沢山出せばそれだけ材料を沢山使ってしまう。
だから、毎日の食事で良質のタンパク質をきちんと摂取することが脳細胞の活性化には不可欠なのだ。

ホルモンはアミノ酸が数十個つながったタンパク質の一種だから、食事から摂取するタンパク質が質量ともに不十分では脳内モルヒネが不足することになる。

脳内モルヒネと呼ばれるホルモン物質は全部で20種類が知られている。
そのいずれもがチロシンというアミノ酸が重要な役割を果たしている。
すなわち、チロシンがなければ、脳内モルヒネ系のホルモンは作れない。

チロシンは必須アミノ酸ではないが、いくら体内で合成できるとしても、それはあくまで材料があってのこと。
高タンパクの食事で材料を補う必要がある。

2009年11月11日水曜日

体内の脂肪量

脳だけの重量は大体1.4 Kg。体重60Kg の人で言えば、わずか2.3%。
しかし、消費している血流とか酸素量を見ると全体の15%~20%を占めている。
つまり、いつも酸素量がたっぷりあり、良い血流が流れていて、脳内モルヒネが分泌されている状態で始めて脳細胞は活性化して、体に対して最高最良の状態を指令することができる。
もしもどれかが不足すると、直ぐにその影響が出てくることになる。
その中で一つ大変怖いのは血管の目詰まりである。

血流を阻害する血管の目詰まりは、ノルアドレナリンの分泌によって血管収縮が起き、血小板がこわれてカサブタを作ることが原因だ。

また、血管の目詰まりを起こすもう一つの原因は脂肪である。
脂肪は人間が食べる食物の中で一番美味しいもの。
美味しいものを食べると脳内モルヒネがふんだんに出るので、その点ではプラスである。
しかし、血管の目詰まりの原因にもなる。

脂肪を取って脳内モルヒネをふんだんに出す。
しかし、とりすぎた脂肪を燃やさなければならない。
そのためには筋肉が必要となる。
脂肪が燃えるのは筋肉の中でしかないのである。
つまり、筋肉がしっかりついている人が同じ量の脂肪を食べても、直ぐに燃えてなくなる。
筋肉の少ない人の場合は体脂肪として蓄積される。
では、筋肉を沢山つければいいかと言うとそうでもない。
筋肉をつけるためにはかなり激しい運動をこなさなければならない。そうすると活性酸素の発生率が高まってしまう。
したがって、筋肉のついている人はそれを落とさないようにして緩やかな運動をすると脂肪がどんどん燃えてくれる。

筋肉を落とさない運動はストレッチ体操である。
筋肉の極端に少ない人はパワートレーニングによって一定の筋肉をつけておかないと成人病の危険が高く、長生きできないのである。

2009年11月10日火曜日

願望実現の成功法則

アメリカで発達した理論の中に、願望実現の成功法則というものがある。
それは、良いことを思えば、良いことが起きる、悪いことを思えば悪いことが起きるというもの。

これは、以前は単なる理論と思われていたが、良いことを思えば脳から良いホルモンが出るし、悪いことを思えば悪いホルモンが出るということが、医学的に解ってきた現在は、この成功法則の理論は証明されたことになった。

成功理論では潜在意識というものを持ち出して人間の想念というものが人生を決めるといっている。

良いことをを思えば、脳から良いホルモンが出る。
そのホルモンは人間を心地よくし、やる気にさせるだけではなく、潜在脳が働いて自分でも想像できなかったような能力が発揮できるようになる。
しかも、つらい体験にへこたれずに、それを乗り越える忍耐力も出てくる。
これだけそろえば、おのずと人の抱く願望実現の確立は飛躍的に高くなる。

2009年11月7日土曜日

ストレスがかかると免疫力は低下する

脳内モルヒネは免疫を高める構造式を持っていることは説明した。
抹消のホルモン系は脳がコントロールしているから、脳のほうで免疫力が高まるホルモンが出れば体全体のホルモンが高まることになる。

病気というものは、そのほとんどにストレスが関係している。
病気と名のつく状態の70~90%はストレスが原因といってよく、成人病では100%がそうだといっても過言ではない。

要するに、心と体というのは別物ではない。
心の思い方によって体内ではPOMCというタンパク質がこわれる。
そのこわれ方によってそれぞれ違った反応が起きると考えられる。

自分は駄目な人間だと思えば、体は駄目なほうへ向かう。
大変な事態になるぞと思えば、本当にそのように機能してしまう。
病は気からという格言は真理なのだ。

精神的ストレスがいかに免疫力を低下させるかの実験がある。
卒業試験中と、試験後ではナチュラル・キラー細胞、つまり、NK細胞の活性が明らかに異なることが明確になっている。

肉体的なストレスと免疫細胞の因果関係も明らかになってきた。
走ることの嫌いな学生を全力で走らせると、疾走前と、70分疾走後と比較すると、NK細胞の活性が低下してしまう。

すなわち、精神的にも、肉体的にも、ストレスがかかると免疫力は低下するのである。

2009年11月6日金曜日

ナチュラル・キラー(NK)細胞を活性化

βーエンドルフィンは脳のレセプターのみに働くだけでなく、体内のあらゆるところのレセプターに働くことがわかってきた。

人の免疫力の中でも最も重要な働きをする白血球の一種であるナチュラル・キラー(NK)細胞の表面にもレセプターが存在することがわかり、NKの活性化に直接影響を及ぼすのだ。

このレセプターは我々が想像する以上に多くの細胞に存在することがわかってきた。
特に精巣細胞に多いことも発見された。
つまり、脳内モルヒネは単に心の領域に影響を与えるだけではなく、体の反応にも密接な関係を持っている。

脳内モルヒネというのは単に快感をもたらすだけでなく、免疫力の向上、記憶力の強化、忍耐力の創生という働きを導き出してくれる。

人間が思うことなど、「たかが思うだけじゃあないか」と言っておれないのは、βーエンドルフィンのこうした働き一つをとってもよくわかる。

なお、脳内モルヒネは優れた鎮痛作用があり、中国鍼麻酔の効く理由もはっきり解ったのだ。

2009年11月5日木曜日

チロシンは

アミノ酸はタンパク質を合成する材料で、全部で20種類ある。
このうち、8種類が体内合成できないため、必須アミノ酸と呼ばれている。

脳内モルヒネにとって最も重要なチロシンというアミノ酸は必須アミノ酸ではなく、体内合成できるもの。

チロシンは神経伝達物質であるドーパミン、ノルアドレナリンおよびアドレナリンの基本骨格を作っている。
また、覚醒剤であるメタンフェタミン(いわゆるヒロポン)、アンフェタミンもチロシンの構造を持っている。

チロシンというアミノ酸分子が2個集まると、自然界に存在する麻薬のモルヒネになる。

ところで、βーエンドルフィンは31個のアミノ酸からなっているが、アミノ酸5個くらいでおのおの別の役割を持っている。
最初の5個は脳内モルヒネであるエンケファリンと全く同じ構造であり、モルヒネとして働く部分。
次の5個はαへリックス構造といって免疫力を高める働きがある。
次の5個はβーエンドルフィンを安定化させ、活力を失わせないような働きをする。
残りの部分は、まだ解明されていない。

2009年11月4日水曜日

ホルモンは脳の中における情報伝達人

脳というのは、ホルモンの塊といっても過言ではない。
しかし、一般的には、脳は神経の塊と思われている。
神経細胞がいっぱいあり、それが電気回路のようになっていて、細胞と細胞をつなぐ電線のような突起が伸びている。
それらに微弱な電流が流れることで、脳の命令がでんたつされる、と理解している人が多いようだ。

しかし、神経細胞間には小さな間隙、つまり、スキマがあるのだ。
このスキマにホルモンが分泌されることにより、情報が伝達される。

すなわち、ホルモンは脳の中における情報伝達人なのだ。

このホルモンは脳のあらゆる場所で分泌され、、それによって脳が体全体に指令を送る。
そうすると体のほうでも同じようなホルモンが分泌され、それによって情報を受け取った細胞が、その命令にそった行動をするのだ。

すなわち、人間がものを考えたり、行動したり、感じたりするには、ホルモンが必要なのだ。

現在ホルモンは百数十種類知られている。

ホルモンはアミノ酸からできている。
脳内モルヒネにとって、最も重要なのはチロシンというアミノ酸。

2009年11月2日月曜日

一般的には人はマイナス発想する人が多いのだ

プラス発想したら、体内にできるホルモンはいい薬として働き、
マイナス発想すると、それらは薬ではなく毒になるとは、何と恐ろしいことか!

人はプラス発想するか、あるいはマイナス発想かは習慣に大きく左右されていること。

また、物事をとられる場合、どのように捕らえるかは自由であること。

この二つのことをしっかり頭に入れておくことが必要だと思う。

具体的に考えてみよう。
今財布の中に、1000円札一枚があったとしよう。
これをどのようにあなたは考えるか?
「もうこれだけしかない」と考えるか?
「まだこれだけある」と考えるか?

一般的には人はマイナス発想する人が多いのだ。
これは、「安全を求める本能的思考態度」とマズロー博士は分析する。
ところが、脳内モルヒネの存在がわかり、その仕組みがわかった現在は、
我々自身、考え方を変える必要がある。

そうでなければ、毒を体に発生させるばかりであるからだ。

2009年10月31日土曜日

プラス発想したときは

人は頭で自由にものを考えられる。
ああでもない、こうでもない、と。

しかし、考えることは脳の中でその考えや思いを物質化され、化学反応を起こしているということを人は知らない。
すなわち、考えたり、思ったりしていることはエネルギーを使っていることなのだ。

本を読んだり、勉強をしていると、突如として、おなかが空いていることに気がつくことがあるだろう。
これは脳内で大変なエネルギーが消費されていたからなのだ。

「いやだな」と思うことも、「いいな」と思うことも、基本的には学習と同じで必ずエネルギー消費が伴う。
脳内では、この時、POMというタンパク質が分解するのだ。
「いやだな」と思った時と、「いいな」と思った時とでは、このタンパク質の分解の仕方が違うのだ。
このことが大変重要な意味を持っていることに注意しなければならない。

前向きにものを捕らえて考えるときは、タンパク質が分解して、副腎皮質ホルモンというものになる。
このホルモンは身体的ストレスの緩和剤として働く。
もう一つはβーエンドルッフィンになる。
βーエンドルッフィンは精神的ストレスの解消に働く。

逆に「いやだな」と思ったときは、βーエンドルッフィンも副腎皮質ホルモンもでてこない。他の物質になってしまうのだ。それが、ノルアドレナリンやアドレナリンということだが、これらの物質は毒である上に、さらに強い毒である活性酸素を発生させるのだ。
つまり、どんな刺激に対してもマイナス発想すれば、いいことは一つもないのだ。

すなわち、プラス発想したときは、体内にできる物質はいい薬として働き、マイナス発想したときは薬ではなく毒になるということなのだ。

2009年10月30日金曜日

欲求は貪欲に求めれば、必ず副作用

前回、前頭連合野が刺激されて分泌される脳内モルヒネは、抑制作用が働かないと言った。
すなわち、この種の脳内モルヒネが出てきても、それを止める物質は出てこない。
だから、いつまでも気持ちがいい。

性欲とか、食欲ではそういうことは起こらない。
食欲が満たされればどんな好物でも見たくなくなる。
性欲も満たされればそれでお終い。

また、この種の欲求は貪欲に求めれば、必ず副作用を起こしてしまうことも共通している。
食べすぎは肥満と成人病を引き起こす。
過度のセックスも活性酸素の発生源となって、命を縮めてしまう。

生命を支える欲求は強力だが、過ぎれば必ずマイナスに働く。
そういうものには抑制するために負のフィードバックがあるということ。

だが、人間が高級脳を生かして世のため人のために尽くすようなとき、それを止めるものは何もない。
止めないだけでなく、どんどん脳内モルヒネが出て、最高に気持ちの良い状態にしてくれる。

マズロー博士は、最も高次な欲求である自己実現を果たした人々が感じる最善の状態のことを「至高経験」という言葉で表現している。
これはβーエンドルフィンが涸れることなく湧き出でている状態と言っていい。

2009年10月29日木曜日

神のメッセージ

「自己実現の欲求」は人間の最終段階の欲求と言われる。

これは神の世界にも通じる心境とも言える。

孔子の言うところの、「70にして心の欲するところに従い、矩(のり)をこえず」の世界。
すなわち、他人と自分との間に境がなく、心の命ずるままに行動して、気がついてみたら、世のため人のための行いになっているといった心境。

マズロー博士の説によると5段階の欲求は、前の欲求がある程度満たされてくると次の欲求が生じるという。

また、レベルの高い欲求が満たされると脳内モルヒネの快感も増していくのだ。

不思議なことに、そのレベルが高くなれば、めったに病気にもならず、至福の感情を持ったまま長寿が保てる。
言い換えると、正しく立派な生き方、世のため人のためになる生き方をするほど、人間は若々しく健康で病気に無縁でいられるということなのだ。

このことを物質で説明すると次のようになる。
人間にはホメオスターシスというメカニズムがある。
一般に「恒常性」といわれている調整システムのことです。
例えば、寒いと毛穴が縮んで体熱の発散を防ぎ、暑ければ毛穴が開き発汗して体温上昇を防ぐ仕組みのこと。

ホルモンも同じで、ノルアドレナリン、アドレナリンが出ると、それを抑えるセロトニンというホルモンが必ず出てくる。
これを負のフィードバックと言う。
電気炬燵のサーモスタットのように、何事もオーバーヒートしないようなメカニズムを人間の体は持っているのだ。

脳内モルヒネにもギャバという抑制物質が働く。
ただ一つここに不思議な例外がある。
人間の最も高級脳である前頭連合野が刺激されて脳内モルヒネ(β-エンドルフィン)が分泌されるときに限って、この負のフィードバックが働かないのだ。
この理由はまだ解明されていない。

β-エンドルフィンは抑制されることなく分泌して、どんどん気持ちを良くしてくれるということは、我々に「そういう世界を目指しなさい」という神のメッセージのような気がする。

2009年10月28日水曜日

人間はどんな欲望を持っているのだろうか?

人間はどんな欲望を持っているのだろうか?
マズロー博士によると、人間の欲求は大きく5つに分類されると言う。
① 生理的欲求
② 安全の欲求
③ 所属と愛の欲求
④ 承認の欲求
⑤ 自己実現の欲求

しかも、その欲求はちょうど階段を一段一段登るように、低次元から高次元へと段階的に登っていくのだ。

一番最初に来るのは、「生理的欲求」。
性欲、食欲、睡眠欲などのことで、普通、本能や欲望と言われているもの。
生命維持のため、あるいは、子孫継続のために絶対に満たされなければならないもの。
この欲求の出所は爬虫類脳と考えられる。

生理的欲求が満たされると次に現れるのが「安全の欲求」。
空腹のときは恥も外聞もなく食物を求め、そのために危険を冒しても平気だがそれが満たされると、自分の安全というものを考えるようになる。

安全が確保されると、次は「所属と愛の欲求」。
これは自分を社会の一員として存在させたいと言う欲求である。対象を必要とする愛する行為もこの中に含まれる。

次は「承認の欲求」。
これは一般に自尊心と他者からの承認と言われるもの。
自分が人よりも優れていることへの自信、能力への確信、達成の実績、自立の確認、こういったものによって自尊心を満足させたいという欲求とそういったことを他社からも認めてもらいたいという欲求である。
他社から認められた証として、表彰、名声、地位、評判などがこの欲求の内容になってくる。

さらにその次の欲求が、「自己実現の欲求」。
「承認の欲求」が満足された後は、人間は「なれる可能性のある最高の存在になりたいと言う願望」を持つ。
これが、「自己実現の欲求」なのだ。

2009年10月27日火曜日

人間の脳は三重構造

人間の脳は三重構造になっている。
一つは原脳というもの。
これは動物がもつものと同じ脳のことである。
すなわち、脳幹、延髄、視床下部、視床のことで脳の内側にある。

この原脳を包むように犬猫などが持つ動物脳(大脳辺縁系)というものがある。
これは自律神経系の中枢、性中枢、情動・本能中枢がある。

さらにその外側に大脳新皮質がある。
万物の霊長と人間が自慢するのは、大脳新皮質が発達しているからだ。
脳の活用を考えるときは、この脳だけを過大評価すると間違えてしまう。
この脳だけを働かせても、それだけでは大したことはできない。
なぜなら、人生の楽しみを感じられないからだ。

脳の働きと言うとき、人間に特有の大脳新皮質ばかりに目が行きがちだが、『考える葦』としての人間の高尚な思考は、脳全体の働きから言えばせいぜい5%程度。
残りの95%は、
「何を食べようか」、
「どうやってあの子を口説き落とすか」、
「いかに勝ち残るか」、
と言った俗に本能と呼ばれる欲求の充足を中心に考えている。
それが、人間の本来の姿なのだ。

爬虫類は原脳だけで生きている。
獲物と見れば襲い掛かる。
メスと見れば生殖行動を起こす。
ほとんど条件反射の世界である。

犬猫の世界になると、飼い主になつくとか、自分の住みかに帰ってくるとか、名前を呼ばれると反応する。

人間が人間でいられるのは、確かに大脳新皮質のおかげである。
しかし、脳の働きを考えるときには、爬虫類の脳も、犬猫の脳も勘定に入れておかなければならない。

2009年10月24日土曜日

本能行動

人間は車に乗ってスピードを出すと気持ちがいいと感じる。
この時にβエンドルフィンが分泌されるからだ。
脳というものを上手に活用しようと思うなら、
「人間というのはひたすら快感を求めて生きている」
ということを頭においておく必要がある。

タバコが体に悪いと一般的に言われているが、愛煙家にとってタバコは快感を伴うもの。
お酒が好きな人も、飲めば快感を感じるから飲み続けるのだ。
また美味しいものは誰しも食べたがる。そして食べ過ぎてしまう。

やってはいけないことと知りつつやってしまう。
これらは全て脳内モルヒネが関係している。

進化した人間にも動物と変わらない本能行動が多く見られる。
我々人間を突き動かしている最も基本的な欲求は何か?
心理学者のA.H.マズロー博士がそれを「ファイブF」と言う。
ファッキング(性欲)
フィーディング(食欲)
フロッキング(群れる)
ファイティング(攻撃・征服)
フリーイング(逃走)
の5つの欲求を本能行動としているのだそうだ。

本能行動は一般には意志ではどうにもならない原始的な行動とみなされているが、
最近わかったことは
そのいずれもが脳内モルヒネが分泌されて気持ちが良くなる行為なのだ。 

2009年10月22日木曜日

活性酸素の害をどう防ぐか?

激しい運動をすると活性酸素が大量に発生する。
これが体には最も良くないことなのだ。

活性酸素というのは我々が普通呼吸で吸っている酸素が分子レベルで活性化したもので、あらゆる病気や老化の最大の敵と言っていいもの。

この活性酸素はどういうときに一番出るのだろうか?
まず、血流が悪くなったときに大量に出る。
正確に言うと一旦血液の流れが悪くなった後で、再灌流(かんりゅう)といって再び正常にサラサラと流れ出すとき、どっと活性酸素が出てくる。
その時、活性酸素によって血管の内皮が傷ついたり、組織が傷ついたり、遺伝子が傷ついたりするのだ。

したがって、人間の体というのは、いつもコンスタントに血流量を保たないといけないわけで、ない日が傷つけば炎症を起こし、遺伝子が傷つけば発ガンへと進む。

また、脂肪と活性酸素が結びついて、過酸化脂質を作り出す。これは、老化の原因となる。

しかし、この活性酸素も役立つことはある。
体に侵入した菌をやっつける武器に使われるからだ。
つまり、人間の持つ免疫システムの一部でもあるのだ。
問題は、過剰に出ることが問題なのだ。

そこで、人間はSSD(スーパー・オキシド・ジスムターゼ)という解毒酵素を作って酸素毒を中和している。

ただ、25歳くらいまではこのSSDはどんどんできるので心配はない。
中年期以後はSSDを作る能力が衰え、活性酸素の害が次第に大きくなる。

最近では、脳の細胞が若ければ、活性酸素の害は最小限度ですむことが解ってきた。
いつも前向きに物事を受け止め無茶をしなければ活性酸素の害はほとんど防げるのだ。

2009年10月20日火曜日

ストレスは諸悪の根源

我々はよく聞く。
「ストレスは諸悪の根源」 と。

これは本当なのだろうか?

ねずみを使った有名な発ガン実験では、 ストレスの強弱によってガンの発病率が大きく違ってくることが知られたのだ。

発がん物質によってガンになる確率が10%のとき、 ストレスがさらに加わると、発ガン率が50%に跳ね上がってしまうことがわかっているのだ。

悟りを開いた人は、普通の人が感じる感じるストレスにも動ぜず、脳内モルヒネを分泌させることができる。

脳内モルヒネによってガンにかかる確率が極端に低められるのだ。
ガンにかかりにくいということは他の病気にもかかりにくいということだ。

また、成人病は代謝障害といってよく、簡単に言い換えれば血液がさらさらと流れなくなるために起きるのだ。 血液が流れにくくなる原因には大きく分けて二つある。
一つはストレス。
ストレスを感じてノルアドレナリン分泌されると、血管が収縮して血液を止める。 さらに悪いのはその後活性酸素を大量に発生し、遺伝子を傷つけたり、過酸化脂質という老化物質を生成したりして、成人病リスクを高めてしまうのだ。
血管障害のもう一つの原因は、コレステロールや中性脂肪などによる血管の目詰まりだ。

2009年10月19日月曜日

ドーパミンの出すぎは?

我々は、意欲的に仕事をしていると、脳が非常に活性化してドーパミンというホルモンがふんだんに出てくる。
このドーパミンは神からのプレゼント。
このドーパミンが出てくると楽しくなる。
だから、一層仕事に打ち込む。そして、プレゼントをいただく。
しかし、このドーパミンは出過ぎると早死にしてしまうのだ。
たとえ、死ななくても、精神分裂症やてんかんのような症状を引き起こす。
仮にこのホルモンが出なくなるとパーキンソン病や痴呆になってしまう。厄介なホルモンである。
過去に天才と言われる人物が早死にしたり、脳の病気が多いのはドーパミン過剰と関係が深いのである。
バリバリ仕事をするビジネス戦士や業績をぐんぐん伸ばす実業家にもドーパミン過剰の人が多い。
そして、リタイヤ後には、意外に早くなくなるケースも多々ある。

このドーパミンが出るとそれに見合ったエネルギーの発生が必要。
このエネルギーを発生すると病気か早死にが待っている。
しかし、ここにも脳内モルヒネが効果を表すのだ。
脳内モルヒネが出ることで、少しのドーパミンで十倍も二十倍のドーパミンが出た働きをするのだ。
すなわち、脳内モルヒネは、てこの原理に似たエネルギー増幅効果があるのだ。

昔から偉い坊さんはこの脳内モルヒネを出す方法を会得していたようだ。
多分瞑想という方法を使って。

2009年10月17日土曜日

神様は我々に何をしろと言っているのだろう?

人間に快感をもたらすホルモンは約20種が知られている。
作用の仕方や強弱の差はあってもその薬理作用はほぼ同じ。
春山氏はこれらを総称して、脳内モルヒネと呼んでいる。

この脳内モルヒネの中でも最強の快楽ホルモン物質は、βーエンドルフィンで、
その効力は麻薬のモルヒネの5~6倍はある。

このような快楽物質が我々の脳内で作られるのは何を意味しているのだろうか?

我々人間は自然発生的に生まれて来たとしたら、このような複雑な仕組みが必要だったのだろうか?
また、自然にこのような設計図ができるだろうか?

ここにはやはり、我々を創造した何かがいて、プログラムを作り送り込んでいるとしか思えない。
それを仮に神と呼ぶ。

神は、我々の行いを判断し、いい行いには快楽ホルモンを出し、その方向に向かわせる。
悪い行いの場合、毒性ホルモンを送り込み、抑制する。

人間の行いは自由だから、何でもできる。
しかし、そんな人間は神は欲していないのだから、罰が下る。

人を押しのけて、金を儲けたという人がこの世の中にはたくさんいる。
地位や名誉も得た。
そうすると、脳内モルヒネは分泌する。
しかし、なぜだかその脳内モルヒネの分泌は続かない。
戦いに勝ったときの快楽ホルモンだから、戦いがなくなった後は脳内モルヒネはでないのである。

何とか、快楽ホルモンが出るように活動するが、そこには、もう戦いがない。

その後は、お金を数えたとしても、それはもはや喜びではない。
そこで、お金を使い、単なる享楽を求める。

また、自分が生きてきたその間には多くの犠牲者がいたはずだ。
その人たちの恨みから、自分の心は次第にすさんでいく。
そして、死に至るのだ。

神は、脳内モルヒネを永続的に出す人生を人に送ってもらいたいと思っている。
精神的満足こそがその道であることを教えているのだ。
それは、人が人を助け合い、いつくしみあうことを理想としている。

実は、この脳内モルヒネの研究をしていると、神の意図が見えてくるのだ。

2009年10月16日金曜日

心の持ち方によって何が変わる?

心の持ち方で、ホルモンの出方が変わる。
これは。最近では常識。
主なホルモンは、
アドレナリン、
ノルアドレナリン、
エンケファリン、
βーエンドルフィン
などである。

人間は怒ったり、緊張すると、ノルアドレナリンが分泌される。
恐怖を感じたりすると、アドレナリン。

ホルモンとは、細胞間の情報伝達物質のことで、いわば、脳の指令を細胞に伝えるもの。
だから、怒りの情報が伝達されると、体はシャキッとして活動的になる。
ところが、このホルモンは毒性を持っている。

いつも、怒ったり強いストレスを感じていると、ノルアドレナリンの毒のせいで病気になり、老化も進み、早死にしてしまうのだ。

これとは反対に若さを保ち、ガン細胞をやっつけたり、人を楽しむ気分にさせてくれるホルモンもある。
これらのホルモンを春山先生は脳内モルヒネと名づけたのだ。
なぜ、モルヒネなのかと言うと、このホルモンが自然界のモルヒネの成分構造に似ているため。

2009年10月15日木曜日

ストレスを受けると活性酸素

人はストレスを受けると、防御反応に入る。
すなわち、ノルアドレナリンの毒物を体に発散し、それぞれの細胞はその毒物に対する防御を行うのだ。

端的には、血管が収縮し、血圧を上げる。
ところご、この状態が長く続くと、血管に目詰まりを起こしやすくしてしまう。
脳の太い血管が詰まると脳梗塞。細い血管が詰まると脳が溶け出し、ボケ状態となる。

ところが、人間の体を内部から壊すものがある。
それが活性酸素。
活性酸素には自然界に存在するものと、体内で作り出すものがある。
いずれも、老化物質を作り出したり、遺伝子を傷つけたりする。
すなわち、あらゆる病気のもとを作り出したり、老化させたりする最大の原因なのである。

ただ活性酸素は、走ったりなどして体がエネルギーを使って何かをするときにはどうしても出てくるものなので、体にはあらかじめそれを中和する機能が備わっている。
それが、SOD(スーパーオキシド・ジスムターゼ)酵素と呼ばれるもの。

ところが、このSODは、脳の発育が止まった段階で、この量は次第に減っていくのである。
すなわち、活性酸素にみあったSODが出て来なくなり、病気になったり、老化していくのだ。

また、アドレナリンやノルアドレナリンが出るとき、すなわち、ストレスを感じたときなども、活性酸素の発生が促されてしまう。

しかし、最近では脳細胞が若ければ、活性酸素の害は少なくて澄むことが確認されている。
言い換えれば、プラス発想していれば、活性酸素の傷害を防ぐことができるということである。

2009年10月14日水曜日

β-エンドルフィン

β-エンドルフィンは脳内モルヒネとして一番効力のある物質である。

人から何か言われて、「いやだな」と思うと、脳内に毒性のあるノルアドレナリンが分泌される。

また、「いいな」と思うとβ-エンドルフィンが出るのだ。

美味しいものを食べたり、セックスをすると快感を味わう。
また、人のために役立つとか、世の中をよくする行為でも精神的喜びを感じる。

その時は、β-エンドルフィンが出てくるのだ。

このβ-エンドルフィンには免疫力を高める効果があることも解ってきた。

2009年10月13日火曜日

病気の根源 ノルアドレナリン

病気を治すには、三つの方法。
食事と、運動と瞑想。
共通項は、いかに体内の不要な脂肪をなくすか、ということ。

脂肪は生命を維持するには欠かせないもの。
しかし、多すぎると害になる。

この三つの方法で、なぜ、脂肪がなくなるのか?

ある条件で、人間の脳からはモルヒネに似たものが出てくる。
これを、春山先生は脳内モルヒネと呼んでいる。
ホルモンの一種である。

この脳内モルヒネの存在は以前から知られていたが、鎮痛効果以外さしたる意味もないと思われていた。
ところが最近の研究の結果、すごい効力を持っていることがわかった。

人間は怒ったり強いストレスを感じると、脳からノルアドレナリンという物質が分泌される。
この物質はものすごい毒性があり、自然界の中では蛇毒に次ぐほどのもの。

もちろん、脳内で分泌されるのはごく微量にしか過ぎないが、この毒が病気や老化を進める働きを持っている。

どんな病気にも、このノルアドレナリンが関係しているのだ。

2009年10月12日月曜日

春山茂樹の脳内革命は1995年1996年にベストセラー。
わたしは、その時はあまり信用しなかったため読まなかった。

たまたま、昨日自由が丘に行った際、ブックオフでこれを見つけたから買ってみた。

しかし、読んでみると、これがなかなかの本である。

早速、インターネットで調べたら、何と破産宣告されていた。

何がどうなったか知らないが、本自体は面白いので、わたしのノートとしてまとめてみようと思う。