2009年11月14日土曜日

エイ・テン神経から快感

人間の心というものは考え方によって制御できることが解ってきた。

人間の心は脳の中の脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質からなっていると考えられる。
この心をつかさどる脳にエイ・テン(A10)神経というものがある。

エイ・テン神経は別名を快感神経と言う。
何か刺激を受けると、我々に快感を生じさせるのだ。

興味深いのはこの神経が性欲、食欲、体温調節といった、ごく原始的な生理欲求から運動、学習記憶、さらに最終的には最も高い人間精神をつかさどる脳、前頭連合野にまでつながっていることだ。

美味しいものを食べたり、セックスをすると我々は大いなる快感を感じるが、スポーツでも勉強でも、言うに言われない快感が生じてくる。
また、人のために役立つとか、世の中を良くする行為でも、我々は非常に高い精神的な喜びを感じる。

こうした人間の思考や行為から生じる快感は、全てエイ・テン神経に由来すると考えられる。

エイ・テン神経は1970年代後半に発見された。
この発見で、βーエンドルフィンなど脳内モルヒネの存在が知られることとなった。
この神経のの研究が進むに連れて、大変なことがわかってきた。
それは、我々人間の脳は、エイ・テン神経をコントロールできるということ。

エイ・テン神経は犬猫にもあり、爬虫類にもある。彼らもこの神経を通じて快感を感じている。
しかし、彼らはこのエイ・テン神経をコントロールできる上位脳を持っていないのだ。

大脳新皮質を持つ人間だけはエイ・テン神経から快感を得ると同時に、ものの考え方一つでエイ・テン神経を自由にコントロールできることが解ってきた。

そのコントロールのカギを握っているの物質が脳内モルヒネのβーエンドルフィンなのだ。

人間も脳の大脳新皮質を取ってしまえば、犬猫並みになってしまい、さらに、大脳辺縁系を取ってしまえば、爬虫類と変わらない脳になってしまう。

我々が食べることでもセックスでも、犬猫や爬虫類と違った意味付けや価値をもてるのは、大脳新皮質のおかげである。

さらにもっと高次の愛や自己実現といったことへと欲求を高めていけるのも、大脳新皮質あってのっことである。

しかし、同時にそういう行為へと人間をいざなう動因は、それが快感を伴うからで、いかに高邁な理想を抱こうと、人間は快感を得られないことは最終的にはしないのである。

ただ、ありがたいことに私たちは良いことをすると良いホルモンが出る仕組みを備えている。

恋人のためを思って、あるいは、子供のため、妻のため、組織のためと思えば、つらいことをやっても快感が得られる。
そういう時、脳波は、α波になり、βーエンドルフィンがこんこんと分泌されるのだ。
さらに言えば、記憶力の向上も、人間関係を平和に保つにも、またやる気や忍耐力、想像力を発揮するのも、βーエンドルフィンが関係する。
人間精神の全ての営みを好循環に持っていくか悪循環に持っていくかは、その人の考え方一つにかかっているのだ。

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