2009年10月27日火曜日

人間の脳は三重構造

人間の脳は三重構造になっている。
一つは原脳というもの。
これは動物がもつものと同じ脳のことである。
すなわち、脳幹、延髄、視床下部、視床のことで脳の内側にある。

この原脳を包むように犬猫などが持つ動物脳(大脳辺縁系)というものがある。
これは自律神経系の中枢、性中枢、情動・本能中枢がある。

さらにその外側に大脳新皮質がある。
万物の霊長と人間が自慢するのは、大脳新皮質が発達しているからだ。
脳の活用を考えるときは、この脳だけを過大評価すると間違えてしまう。
この脳だけを働かせても、それだけでは大したことはできない。
なぜなら、人生の楽しみを感じられないからだ。

脳の働きと言うとき、人間に特有の大脳新皮質ばかりに目が行きがちだが、『考える葦』としての人間の高尚な思考は、脳全体の働きから言えばせいぜい5%程度。
残りの95%は、
「何を食べようか」、
「どうやってあの子を口説き落とすか」、
「いかに勝ち残るか」、
と言った俗に本能と呼ばれる欲求の充足を中心に考えている。
それが、人間の本来の姿なのだ。

爬虫類は原脳だけで生きている。
獲物と見れば襲い掛かる。
メスと見れば生殖行動を起こす。
ほとんど条件反射の世界である。

犬猫の世界になると、飼い主になつくとか、自分の住みかに帰ってくるとか、名前を呼ばれると反応する。

人間が人間でいられるのは、確かに大脳新皮質のおかげである。
しかし、脳の働きを考えるときには、爬虫類の脳も、犬猫の脳も勘定に入れておかなければならない。

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