βーエンドルフィンは脳のレセプターのみに働くだけでなく、体内のあらゆるところのレセプターに働くことがわかってきた。
人の免疫力の中でも最も重要な働きをする白血球の一種であるナチュラル・キラー(NK)細胞の表面にもレセプターが存在することがわかり、NKの活性化に直接影響を及ぼすのだ。
このレセプターは我々が想像する以上に多くの細胞に存在することがわかってきた。
特に精巣細胞に多いことも発見された。
つまり、脳内モルヒネは単に心の領域に影響を与えるだけではなく、体の反応にも密接な関係を持っている。
脳内モルヒネというのは単に快感をもたらすだけでなく、免疫力の向上、記憶力の強化、忍耐力の創生という働きを導き出してくれる。
人間が思うことなど、「たかが思うだけじゃあないか」と言っておれないのは、βーエンドルフィンのこうした働き一つをとってもよくわかる。
なお、脳内モルヒネは優れた鎮痛作用があり、中国鍼麻酔の効く理由もはっきり解ったのだ。
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