2009年10月30日金曜日

欲求は貪欲に求めれば、必ず副作用

前回、前頭連合野が刺激されて分泌される脳内モルヒネは、抑制作用が働かないと言った。
すなわち、この種の脳内モルヒネが出てきても、それを止める物質は出てこない。
だから、いつまでも気持ちがいい。

性欲とか、食欲ではそういうことは起こらない。
食欲が満たされればどんな好物でも見たくなくなる。
性欲も満たされればそれでお終い。

また、この種の欲求は貪欲に求めれば、必ず副作用を起こしてしまうことも共通している。
食べすぎは肥満と成人病を引き起こす。
過度のセックスも活性酸素の発生源となって、命を縮めてしまう。

生命を支える欲求は強力だが、過ぎれば必ずマイナスに働く。
そういうものには抑制するために負のフィードバックがあるということ。

だが、人間が高級脳を生かして世のため人のために尽くすようなとき、それを止めるものは何もない。
止めないだけでなく、どんどん脳内モルヒネが出て、最高に気持ちの良い状態にしてくれる。

マズロー博士は、最も高次な欲求である自己実現を果たした人々が感じる最善の状態のことを「至高経験」という言葉で表現している。
これはβーエンドルフィンが涸れることなく湧き出でている状態と言っていい。

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